Knowledgeそこが知りたい:移行後の保守

Caravel™変換後のプログラム保守

Caravel™変換後のJavaプログラム保守には、以下の基本機能が必要です。
 1.ソース編集: プログラムコードの修正
 2.コンパイル: Javaソースコードをクラスファイルに変換
 3.パッケージビルド: JARやWAR形式のパッケージ作成
 4.プログラムの実行テスト: クラス毎の単体テスト、パッケージ毎の結合テスト

推奨ツール:
 ・Maven: プロジェクト管理とビルドツール
 ・Eclipse: 統合開発環境(IDE)
 ・Google ChromeやMicrosoft Edgeの開発者ツール
既にJava環境をお持ちのお客様は、現状のツールを継続利用可能です。新たにJava環境を導入する場合には、上記の推奨ツールをご検討ください。
Caravel開発環境

プロジェクト管理とビルドツール: Maven (メイブン)

Apache MavenはOSSとして無料で利用可能なプロジェクト管理ツールで、以下の特徴があります。
 ・POMファイル: プロジェクトの依存関係やビルド設定を記述
 ・パッケージ形式: jar、war、earファイルを簡単に作成可能
 ・Eclipseとの連携: 統合環境で効率的に操作可能
プロジェクト管理とビルドツール: Maven (メイブン)

Mavenプロジェクトのインポート:Caravel™変換結果のソースをEclipseにインポートする手順

 1.ZIPファイルを解凍: Ecripse用のワークスペースディレクトリに配置
 2.インポート: Eclipse「ファイル」メニューから「既存Mavenプロジェクト」を選択しpom.xmlを指定
EcripseにMavenをインポート
※補足:変換ソースには変換前ソースのコメントが含まれます。軽微なjavadocオプションも選択可能です。

統合開発環境(IDE):Eclipse(イクリプス)

EclipseはJava開発に最適化されたIDEで、OSSとして無料で利用できます。

主な機能と特徴

 ・ワークスペース: プロジェクトの管理が容易
 ・プラグイン拡張: 必要な機能を自由に追加可能

推奨バージョン

 Pleiades All in One Eclipse Ultimate: 日本語化対応済で、Maven等の主要プラグインが組み込み済

Pleiades All in One Eclipse Ultimateの主な機能

Ecripse日本語化対応済Ecripse, Mavenのサポート機能を含む
JDKJava8, Java11, java17, java21のJDKを切替て利用
ソース編集、コンパイル各種ソース(Java,CSS、HTML、JSon、JavaScript、TypeScript,php)編集や、
コンパイル機能、Mavenと連携したパッケージ・プロジェクト管理
Lombok(ロンボク)Javaソースにアノテーションを記述しgetter、setter、toStringメソッド等を
コンパイル時に自動生成、Caravel™変換でも利用(JavaBeans)
Spring Tool SuiteSpringフレームワークによるアプリケーション開発をサポートするプラグイン
リリース,バージョン管理Subversive:プロジェクト単位のリリース管理
EGitソースバージョン管理
ドキュメントJavadoc: Mavenと連携したドキュメント生成
AmaterasStepCounter: ソースの行数の集計や、修正前後のソースツリーを比較して差分カウント
Amateras Modeler: UMLやER図を作成するためのプラグイン
解析ツールCheckStyle: Javaコードのスタイルやコーディング規約をチェック
SpotBugs: Javaのソースコードを静的解析し、バグを発見するプラグイン
Enhanced Class Decompiler: ソースコードがないクラスファイルを、リバースしてJavaコードの確認を行うプラグイン
テスト環境Tomcat: クライアントPC上のAPサーバーでJavaアプリケーションをテスト
※DBサーバーのテストのためにはDockerイメージを利用する等の工夫も必要
XAMPP(ザンプ): APサーバーのフロントにWebサーバーを使う場合に利用
※XAMPPはApacheWebサーバー,MariaDB,PHP,Perlの実行環境のセット
単体テストQuick Junit: 単体テストツールのJunitの操作を支援するプラグイン
データ保守SQL Editor: SQLを記述・実行するためのプラグインツール

Ecripseに追加のプラグインを導入する方法
Ecripseの「ヘルプ」メニューから、「Eclipseマーケットプレース」を選択して検索キーワードを入力すれば、便利なプラグインが見つかります。
例えば「DB」で検索すればDB Viewer等が見つかります。「IBM」で検索すればLibertyやMQ等が見つかります。「Angular」で検索すればAngularの開発支援ツールが見つかります。Javaコードの生成(アシスタント)用のプラグインとして「IBM watosonx」や「Codeium」なども利用できます。

実稼働環境へのデプロイ

Caravel™変換結果は以下の形式で提供されます。
 ・JAR: Javaプログラムのクラスファイルや設定ファイルをまとめたアーカイブ
 ・WAR: Webアプリケーションで利用するクラスファイル(servlet)や設定ファイル、JSP,HTML,CSS,TypeScript,Javascript等のファイル、JAR形式のライブラリ、web.xmlをまとめたアーカイブ
 ・EAR: Jakarta EEのパッケージ形式で、 任意の数のWARファイルやEJBファイル、JARファイルををまとめたアーカイブ

デプロイ方法
 1.本番環境: 圧縮形式のまま設置
 2.開発環境: 解凍後のイメージを設置する事で、個別クラスの修正・差し替えが可能

プログラムの実行テスト

クライアント環境内でのテスト

 ・Webアプリケーション: APサーバーをローカル環境で実行(Eclipse経由や単独実行)し、JunitやWebブラウザから実行
 ・バッチアプリケーション: Windows PowerShellやコマンドプロンプトから、コマンド実行(Junit利用や未使用で)
 ・DBサーバー: ローカル環境のDBサーバー利用や、DBサーバーのDockerイメージの活用
   ※テストケースの各断面でDBサーバーのDockerイメージを保持すれば、再テスト時の効率化も可能
 ・Junitによる単体テスト: 実行用の各クラスに1対1対応のJunit用クラスを用いてテスト仕様を記述してテストの効率化や、再テスト時の効率化も可能

クライアントサーバー環境(開発用サーバーを用いた)でのテスト

 ・実機のAPサーバーにデプロイし、実機のDBサーバーにテストデータを投入してテストを実施

Web UIのデバッグ

Google ChromeやMicrosoft Edgeの開発者ツール(ブラウザに標準で付属)を使用し、以下の操作が可能です。
 ・JavaScript(TypeScript)のブレイクポイント設定: 動作確認やデバッグに利用
 ・CSS/HTMLの一時変更: レイアウト修正箇所を即時変更テスト
Chrome/Edgeの開発者ツール

詳細については、お問い合わせください。

移行後の保守:FAQ